自律神経の働き
調整現場において、自律神経バランスを崩されているケースがよく見られます。自律神経の働きは本当に重要なので日常生活にも生かせるヒントをいくつか取り上げます。
呼吸
極端な話かもしれませんが、食は摂らなくともしばらく生きることはできますが、呼吸を止めてしまうと一日と生きることはできません。呼吸の際には自律神経の機能も働きます。呼気時（つまり息を吐くとき）には副交感神経が良く働き、吸気時には交感神経が働きます。現代人は緊張していることが多く、吸気が多くなりがち。息を吸ったのはいいけど、気がついたら吸ったまま、止めてしまって息を吐いていなかった・・、ため息と一緒にやっと息を吐いていたなんてことはないでしょうか？大事な会議中、張り詰めた雰囲気の中での作業や授業、常に緊張の伴う日常を必要以上におくっていないかをたまに振り返るのは決して悪いことではありません。
吸気時には横隔膜や首周りの筋肉が良く働きます。吸ってばかりで吐くのを忘れてしまうと首回りの筋肉の緊張や横隔膜の緊張から猫背や首肩の凝りや背中の痛みが発生します。首肩まわりが、ガチガチのまま寝床に入っても寝付きも浅く、疲れが簡単には取れなくなります。呼気時には大腰筋やお腹・腰周りの筋肉を良く働きます。
生まれた瞬間から自然とはじめた呼吸ですが、訓練法はたくさんあります。比較的容易にできて効果も高い呼吸法は腹式呼吸法です。この腹式呼吸法もいろいろなものがありますが、ひとつご紹介します。呼吸というと最初に吸気から始めてしまうことが多いのですが、 ここでは→ ① まずは、今、体の中にある空気を吐きます。ポイントは口を軽くすぼめて細く長くゆっくりと。体中の空気を吐ききります。（体調の悪い方や治療中の方は無理 せず、お医者さんと相談しながらされてください） ②吐ききると、体が自然と空気を取り 込みます。このときは口ではなく、鼻から吸ってください。
姿勢は座っていても良いですし、立ってやっても仰向けでもかま いません。体は自然とまっすぐに余計な力を抜くようにしてみましょう。最初のうちはなれないかもしれませんが、一日のうち、５～１０呼吸を練習するだけで も良いでしょう。でも無理せず体調を見ながらにしてください。苦しかったらやめてください。日々、続けていけばだんだん楽にできるようになってきます。慣れてきたら、呼吸法もオプションを付け足したりしてレベルアップできます。
当院では呼吸を見ながらあわせながら、時にはリードしながら調整や運動をします。
運動
体は動かさなければ、筋肉も骨も細く弱くなっていくというのは周知のことと思います。使われない筋肉がやせ細っていくのを「廃用性萎縮」といいます。わかりやすい例でいうと、入院していた人が退院すると太っていたのがやせた、細くなった、体力が落ちたというのはそういった理由があります。しかしこの「廃用性萎縮」は現代社会では高齢者に限らず、子供から青少年といった若い世代でも散見され、それは姿勢の歪み、背骨のゆがみにつながり、神経・内臓を含めた全身に影響を及ぼします。
それならばと、久しぶりに運動をやってみたら、本人の思っていた以上に体力が落ちていてケガをしてしまったという事例も耳にしたこともあるのではないでしょうか？
特に運動をしていた人が急にやめてしまうと、運動をしていなかった人に比べ、体力の低下が早いため、注意が必要です。
運動不足はさまざまな病気や症状の原因になります。
反対に定期的に適切な運動をすると体の基礎代謝があがり、肥満の防止・ダイエットにつながります。循環器の機能を維持・向上させ、日常生活を過ごしやすくし、抵抗力をつけ、免疫力を上げます。疲れにくくなりますし、疲労の回復を早くします。リフレッシュし、ストレスを解消し、積極的になれますし、夜も良く眠りやすくなります。さらに最近の研究ではアルツハイマー症の予防や改善に貢献できるといわれています。オーバーワークや当人のその日、その時の体力や体調を無視した運動でもしない限りは、適切な運動は健康生活を送る良好な要素となります。
ご希望の方には短時間であまり大きな負荷をかけずに効果を出せる運動を教えています。（その方の体力や環境などを考慮したうえで教えますので継続来院されている方に限ります。）
また、ちょっと運動不足が気になっている中高年の方、体力にはかなり自信のない方、に十分対応できるようにオプションコースとして運動アドバイスもカスタマイズできますのでご相談ください。
