席に着くや否や「ここ2日くらい体調が悪い」と当院にいらした50代女性。
お話を聞いてみると、この2日くらい体調が悪く、特に左の首の痛みと左こめかみから後頭部にかけての頭痛がつらいとのことでした。
今回は気温35℃前後の日が続く、猛暑真っただ中の8月初めでもあったため、熱中症の可能性も否めないため、「今回のような頭痛は初めてか」を聞いてみると左目の奥から頭痛につながることが昔から度々あり今回も同様の感じだとのこと。
お話は横道にそれますが…
体のゆがみは、変化していく外部環境への適応を難しくさせ、結果として違和感や体調不良につながっていると思われるケースは少なくはありません。
気温や湿度、強烈な太陽光・光の刺激、においや騒音、着用する下着やスーツ・ユニフォーム…。視覚、聴覚、嗅覚、皮膚感覚、触覚、味覚など感覚器を通して入ってくる刺激に対する反応はある程度の共通はありますが、個体それぞれ・人それぞれ。その時々のその人の状態によっても変わってきます。
お体のゆがみはその反応を過敏に出させる要因のひとつに数えられると考えます。
話を戻します。
すぐに調整に入りたいのはやまやまですが、体のバランスを見ていくこと。また原因がどこにあるのかを把握するのが第一です。(救急操法の際は別です)
姿勢を見てみるは上半身は左に傾き、骨盤は右に傾いています。特に頭蓋骨の傾きは左に傾き、訴えのある左側頭部から首につながる部分を圧迫することによって左頸部の圧縮状態を醸し出しています。
重心は右重心。
動作を見てみます。首の動きは全体的に可動の制限と痛みを伴いますが特に前後の動きがつらく、腰の動きは後屈動作が痛みを訴えました。
骨盤の状態(仙腸関節の可動で判断)は意外にも整っていた為、腰から上を調整します。
腰椎を調整し、後屈動作が曲がりやすくなり痛みも消えました。
そこから頭蓋骨から頸椎の調整に入り、終えてみたところで起き上がってもらいました。
さっきまでの頭痛はどうかを聞いてみると、「全然痛くない!スッキリ」と驚かれました。可動を見てみるとこちらも制限も痛みも消えたようです。
頭蓋骨の中でも後頭部にある後頭骨という骨とそのすぐ下にある首の骨、頸椎1番という骨で織り成す「頭頸関節」のバランスは脊髄神経、脳に入っていく動脈(椎骨動脈)や脳神経の通り道、その他重要なポジションであるため、ここの状態には注意しています。
今回の方の場合、頭頸関節の状態がおそらく慢性的に圧縮された状態が長いという条件に外部環境の激しい変化が加わったことで一気にバランスを崩したのかと考えます。
何はともあれ、元気になってよかったです。
みなさまの元気と健康を願っています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。皆様のご参考になれば幸いです。
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illustration by フリーメディカルイラスト図鑑