「右の股関節が痛くて、あぐらをかけない」と股間節痛を訴え、当院にいらした40代女性。
お話を聞いてみると、時々、股関節の右側が痛かったり、違和感を感じているとのこと。痛い場所を示してもらうと、前側鼠径部を指されました。
股関節の痛みと言っても人によっては、今回のように前側だったり後ろ側だったり、横側を指すこともあります。示す場所によっても不調の原因もアプローチも考え方も変わってきますので不調を訴える場所は重要です。
さっそくバランスチェックをしてみると、骨盤および股関節の動きの制限が顕著です。やはり右側です。関節は動かせますが本来の軌道から逸脱する動きと同時に痛みを訴えます。
仙腸関節、股関節の調整をして再度、確認してみると先ほどよりは本来の軌道に行くのですが、頭の中でなんとなく引っかかりました。
じっとしていれば気にならず、特定の動きをすると痛みや可動の制限が出てくるため、原因個所を絞り込んでいきます。
骨そのものの問題が考えられる場合は病院で検査を受けてもらう必要があります。
ですが今回は場所的に、「とある筋肉」がおかしなことになっているのではないかと考えられました。その「とある筋肉」がうまく機能しないために出ている痛みではないだろうか、そうであればその筋肉がうまく調整されれば痛みは解決できる。というその考え(仮定)が正しいかを(ほかにも一つの筋肉が想定されたのでそれも含め)テストします。
絞り込んだ筋肉のテストから考えは間違っていなかったと確信し、その筋肉を調整します。
今回の筋肉は大腿四頭筋という太もも前側の膝を伸ばしたりスクワット運動で鍛えられる筋肉の中の大腿直筋という筋肉でした。大腿直筋の付け根の一部は大腿骨頭を前から後ろに巻き込むように付着しています。この付着部分が何らかの原因で周辺の組織と癒着して、股関節動かすときに角度によって引っかかりを生み出し、それが重なり炎症を強くして痛みにつながったと考えます。
場所は奥深く、また炎症を起こしていることが想定され、直接的な刺激で痛みを憎悪させる恐れもあるため、均整法が得意とする遠隔操法を使い、また当院独自のアプローチで調整しました。
終えてみるとずいぶんとスッキリしたご様子です。
チェックをしてみると先ほどのような可動の制限や痛みの訴えはなくなりました。
それから数週間後にご来院された際に聞いてみると、「無い!痛みないです!あれから全然痛み無くなりました。」とのことでした。
チェックしても仕上がりはバッチリです。
今回のケースはお仕事で長時間中腰姿勢になることが多く、この姿勢が股関節に長期恒常的な圧縮による過負荷を与えていたことによると考えられます。
圧縮を与え続けられると物理的にもよろしくないですよね。
人間の体は動くように設計されていますので意識して動かす、緊張と弛緩を心掛けるのが肝要です。
気持ちよく動けるようになられてよかったです。
みなさまの元気と健康を願っています。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。皆様のご参考になれば幸いです。
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illustration by フリーメディカルイラスト図鑑